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性質と使用方法 | |
1.自然にやさしいアイスメルター 冬季、道路の凍結防止は交通安全の要です。 薬剤散布は凍結防止の有効な手段ですが、薬剤に起因するサビの発生・腐食の増進によって、自動車・ガードレール・信号・橋梁・通風機・建築物などの主要設備の損傷を起こすだけでなく、周辺土壌の変化・田畑・果樹・樹木・湖沼への影響は無視できません。 アイスメルターは、これらの弊害の少ない凍結防止剤です。 2.冬季の道路状況 冬季、気温の低下に伴って路面温度は低下し、通常0℃以下で湿潤路面は凍結が始まります。 しかし路面温度は気温だけではなく、日中の日差し・風の強弱・冷気の貯留・放射冷却などの影響を受け、中でも放射冷却が路面温度低下の主要因と考えられます。 一般に、最低気温が−20℃程度となっても、最低路面温度は―8℃程度以下となる場合は非常に少ないと言われています。 凍結路面のすべり摩擦抵抗は、0℃〜−3℃で極めて小となり、すべり易い状態となります。 一般に、0℃〜−5℃で凍結防止剤が有効であり、それ以下ではすべり摩擦抵抗はやや大となり、また圧雪状態では更に抵抗が大となってすべり難くなります。 3.アイスメルターの性質 主成分:尿素((NH2)2CO)分子量:60 比熱:0.32cal/g、℃ 溶解熱:55.8cal/g (吸熱)氷晶点:―12℃ (32%濃度)水・溶解度 : 0℃:40.0%、 10℃:45.7% 20℃:51.8% 4.アイスメルターの使用方法 既存の凍結防止剤 (塩化ナトリウム、塩化カルシウム等) の使用方法と変わりありません。 |
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金属腐食性 | |
アイスメルターは尿素が主成分なので、塩類と異なり有機物であって、非電解質であるため、基本的に発錆とは無縁なものです。 | |
土壌・植物への影響 | |
自然にやさしい無塩・凍結防止剤アイスメルターは、尿素が主成分です。アイスメルターの土壌中の挙動と植物への影響については次の通りです。 1.土壌中での分解 アイスメルターの主成分である尿素は土壌中でウレアーゼ(酵素)により分解しアンモニアとなり、更に一部は硝酸化成菌により亜硝酸を経て硝酸になります。作物には主にアンモニア又は硝酸の形で吸収されます。 これらの分解速度は、微生物の活性に左右されます。アイスメルターを使用する時期は低温のため土壌微生物の活性が低く、 アンモニア化成、硝酸化成とも殆ど起こりません。 2.土壌吸着 土壌の粒子は、普通マイナス(−)に荷電しているのでプラス(+)に荷電した粒子、例えばアンモニア、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどは良く吸着し土壌中に保留されます。一方、マイナス(−)に荷電している硝酸や非電解質であってもプラスでもマイナスでもない尿素などは吸着力がなく流亡し易いものです。 3.土壌中の移動 50p高の土壌柱の上部3p下に尿素1grを含む土層3pを置き、上部より水40mlを5ml/分の速度で滴下し、滴下後15時間室温で放置したあと、各土層の尿素成分分布を測定しました。 尿素の高濃度溶液(この場合400g/u)施用でも土壌に吸着される尿素は15%前後であり、それも表層にしっかり吸着されているものではなく、降雨等により下層に容易に溶脱されます。 4.植物への影響 植物は常時肥料成分を吸収しているのではなく、気温の低い冬季には殆ど養分を吸収しません。 また冬季の土壌中の微生物は活性が低く分解速度も著しく低い状態となります。 春が来て気温が上昇して来ると、植物の肥料成分吸収及び微生物の活動が活発となりますが、その頃には冬季に散布されたアイスメルターは大部分雨による流亡か、微生物分解によって流亡しており、 雑草を含めた道路近辺の植物に対し肥料として効果を現すことはありません。 アイスメルターには長期にわたって土壌に留まり、植物に障害を発生する成分を含んでおりません。 |